Portugal Lisbonne 編


【ベレンの塔】ベレン地区(リスボン中心部からテージョ川沿いに6kmほど西の地区)

 16世紀、テージョ川を行き交う船を監視し、河口を守る要塞として建てられた見張り塔。正式名称は、「サン・ヴィセンテの砦」といい、マヌエル1世の命を受けフランシスコ・デ・アルーダが設計、1519年に完成しました。大航海時代、長く危険な航海を終え無事に帰り着いた船乗りたちを温かく迎え入れる故郷のシンボル的存在でした。高さは約35mあり、2層の堡塁部分(地下)と4層のタワー部分(地上)からなります。軍事的に機能した後は、船の通関手続きを行う税関や、電報局として利用されました。

 マヌエル様式を代表する建築のひとつで、レースを施した純白のドレスをまとった貴婦人と例えられることもあり、その優美な姿を、作家司馬遼太郎は著書の中で「テージョ川の公女」と賞賛しています。

 1983年に、世界遺産に登録されました。


ポルトガルを見守ってきた、テージョ川に浮かぶ貴婦人
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