Portugal Porto 編


【ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア】

 ポルトは、“ポートワイン”の故郷で、芳醇な香りと味わいが人気の世界でも有数のワインです。

 ドウロ川の南側、旧市街の対岸に広がるエリアは、約60軒のポートワインセラーが集まっています。この地域を“ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア”といいますが、ラベーロ(帆船)が浮かぶ川岸には、有名な「サンデマン(Sandeman)」や「カレム(Calem)」などの30を超えるワイン工場が並んでいます。
 これら、英語の名前が多いのは、17世紀にスペインに対抗する手段として関税特権を与えられたイギリスの企業が進出したためで、これ以後、ポルトでのワイン醸造が盛んになりました。

 ポートワインは、アルト・ドウロと呼ばれるドウロ川上流域で収穫されたブドウから造られます。山の斜面に広がる段々畑で育てられたブドウは、9月中旬に、大きな籠を背負ったランショと呼ばれる人々の手によって摘み取られます。そして機械によって絞り出されたブドウ液は樽に詰められ、冬を越し、その後、“ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア”へ運ばれ熟成、ビン詰めが行われます。かつては、ラベーロ(帆船)がその運搬を担っていましたが、1964年以降、トラックや鉄道に替わられてしまいました。現在、ラベーロは、“浮かぶ広告塔”とされ、ドウロ川に彩りとして並んでいます。

“ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア”に集まるワインセラー
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『サンデマン』のワイナリー

『カレム』のワイナリー

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