【France】ストラスブール
ストラスブールは、アルザス地方の首府です。この町の名前は「道の町」を意味するラテン語で、古来より交通の要所として栄えてきました。ドイツとの国境のライン川がすぐ近くに位置するため、木骨組みの建物、豚肉やソーセージ主体の名物料理、アルザス語(ドイツなまりのフランス語)の看板など、「フランスであってフランスでない」雰囲気を強く感じます。仏独間の抗争で翻弄された町である歴史を踏まえ、「ヨーロッパの平和は独仏の和解から」という考えのもと、現在は欧州議会などの本部が置かれ、また昨年6月には、ドイツからここアルザス・ストラスブールを経由し、パリへ繋ぐ路線「TGV東ヨーロッパ線」が開通し、ヨーロッパの未来を創り出す国際都市として重要な役割を担う町となっています。
ストラスブールの旧市街は、イル川の本流と支流に囲まれています。この旧市街は、1988年、世界遺産に登録されました。川に囲まれたこの町は、こぢんまりした中に集約されている感じがします。この川と、旧市街にそびえ立つ「ノートルダム大聖堂」が町の目印です。
クリスマスの中心都市として知られるアルザス地方ですが、中でもストラスブールはその代表的な町です。12月初旬になると、毎日クリスマス市が開かれ、クリスマスムード一色になります。非常に寒く、暗い“アルザスの冬”の町を暖かくするクリスマス市の主役は、通称“おとぎの世界”を創り出す「クリスマスオーナメント」、アルザス地方伝統の郷土菓子「パン・デピス(スパイスたっぷりの発酵菓子)」、寒さの厳しいこの地域の心と体を温め支えてきた「ヴァン・ショー(ホットワイン)」、手作りの素朴な「ブレーデラ(クリスマスクッキー)」、そして町中はクリスマスのあたたかいオレンジの光が灯ります。クリスマスの時期でなくても、ストラスブールでは、いつもクリスマスのオーナメントを扱うお店なども多く見かけます。家々や通路、町中は、花で飾られ、町の方針は「澄んだ空にはこうのとりが幸せを運んでやってくる」といわれ、『こうのとり』が市の鳥となり、ストラスブールのシンボルになっています。あたたかく、やさしく、澄んだ、おとぎの世界の象徴のような町、これが「ストラスブール」です。
旧市街にそびえ立つ「ノートルダム大聖堂」
赤色砂岩で造られた大聖堂で、レースのような繊細な彫刻でびっしりと覆われた正面の壁を「ゲーテ」が「荘厳な神の木」にたとえ絶賛したと言われています。町がこぢんまりしている反面、この大聖堂の大きさは圧倒的です。そびえ立つ、尖塔の先端の高さは、142mで中世に造られたものとしては最高の高さ。
毎日12:30になると、聖堂内の大時計の前に人々は集まります。キリスト教徒達の人形が現れる仕掛けになっています。
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2007年6月TGVパリ東線開通とともに一新した「ストラスブール駅」
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「イル川の遊覧船」 ストラスブールの情緒ある町をイル川に沿って一周します。
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