ヨーロッパの中心部に位置し、日本の九州ほどの国土しかないスイス。小さな国土ですが、ドイツ、フランス、イタリア、オーストリア、リヒテンシュタインの5カ国と国境を接しており、4つの公用語と、多様な文化を持っている国です。ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語。そのため、自国の名前にも、言葉によって呼び方も様々です。日本で通称言われる『スイス(Suisse)』はフランス語の呼び方です。
ドイツに近い北部に行けばドイツ語を耳にし、ドイツ料理が目立ちます。フランスに近い西部に行けばフランス語を耳にし、フランス料理、フランス菓子が目立ちます。イタリアに近い南東部に行けばイタリア語、イタリア料理が目立ちます。これもすべて、アルプスの山々、渓谷に隔てられたために、個々に孤立した街、地域ごとに独自の言語と文化が育ったのが流れです。個々の地域は、隣接する国々からの文化から育っていったのです。
このアルプスの谷間にある街や村を見れば、スイスときたら鉄道のイメージが強く浮き出るように、その昔、スイス国内での通づる道は薄かったとイメージ出来るし、近代に至って鉄道が発達し、現代でも“鉄道王国”とされるスイスの国内は鉄道が貼り巡っているというのも、この小さな国での渓谷を裂いての通路は、鉄道が最もふさわしく、鉄道しかないというのもなるほどと思えます。
しかし、そのアルプスは、地球の凝縮のようなもの。世界でも名だたる山々、雄大な氷河、美しい湖、澄みきった空、そしてアルプスのイメージからは外すことの出来ない可憐な可愛い花々。アルプスは、地球そのもののすべてを見せてくれます。
こんな大自然から生まれた育てられた文化、食文化は素晴らしく、人々も穏やかな雄大な国。それが、スイスです。
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