France Paris 2024 Noël / 7区 《chocolaterie》
【Reine Astrid】レーヌ・アストリッド


2024 Noël/7区

90年にわたる歴史が物語る、アンティークなショコラティエ

7区のバック通りは、レストランやカフェ、ショップが並ぶ、人通りの多い賑やかな通りなのですが、その脇道に少し入った所に在る『Reine Astrid(レーヌ・アストリッド)』。バック通りは賑やかですが、この脇道のヴェルヌイユ通りは、とても落ち着いた雰囲気。そんな通りに溶け込むかのように、ひっそりとしたアンティークな雰囲気漂うショコラティエ、『Reine Astrid』があります。看板の“depuis1935”の文字から、90年もの歴史があることが伺えます。
『Reine Astrid』は、1935年、フランスの北部の街、リール出身の有名なchocolatierの娘「Fernande Gobert(フェルナンド・ゴベール)」さんが、Paris8区のワシントン通りにお店をオープンさせ、父親が作る美味しいものやショコラを、パリジャンに販売されたことが始まりでした。そして、その同じ年に、寛大で献身的な女性として歴史に名を残した、スウェーデンの王女でベルギー王の妻である「Astrid女王」が亡くなられ、その後、Fernande Gobertさんはベルギー王立裁判所に、自身のお店に彼女の名前を付ける許可を求めたそうです。この権利は、製品が最高の品質であることを唯一の条件として、与えられ、そしてこの“アストリッド女王”という名の『Reine Astrid』が誕生しました。
この永い歴史のお店の趣には、パリの人々とショコラとの歴史、愛されてきた文化など、はかりしれないものが込められている・・・、そして、今も受け継がれていると思うと、心に響くものがあります。


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